▲一時期狂ったように日記で書きまくってた(今も気が向けば書きます)小ネタたちです。主に土神ですがたまーに色々混じります(笑) 一応十ずつまとめるつもりですが他はなんの配慮もなく順番どおり書いていきます〜▼




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『ずるい』 沖田&土方



 「土方さんはずるいんでさァ」
「…何がだよ」
「いつだってずるいんだ」
「何がだっつってんだろ。つーかお前、普段好きなだけ仕返ししてんじゃねーか」
「俺が来たときにゃあもう近藤さんの隣に居座ってんだもん」
「はぁ?」
「俺が居ねェ間にしっかりちゃっかり隣に居ついてさ、あとから来た俺じゃもうなんにも出来やしねェ」
「……」
「そいで組が出来ても、まァた隣盗ってやがる。副長はいつだって局長の隣だもの」
「……あのなぁ」
「だから俺は副長の座ァ狙ってるんでさァ」
「あ?」
「ねえ、副長って椅子ぐらい俺に下さいよ土方さん。」

 にやりと微笑って、子供みたいにねだる。

 こいつにとっては組織のまとめ役も、なんのことはない、何より大事な主の隣を確保する為のただの椅子に過ぎないのだ。


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▲カップルではありません(汗) あえて言うなら沖土というより沖→近で…。。なんか無性に沖田と土方が書きたくて書き始めたのであんまり深く考えてません(ぉぃ
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『暑い』 土方&神楽


 「ねぇー、暑くないアルか?」
「暑ィよ?」
「なんで脱がないアルか?」
「お前、こんな公衆の面前で脱ぎだしたら捕まっちゃうよ俺?警察なのに」
「せめて上着ぐらい脱いだらどうアルか?」
「手荷物増えるのも嫌なわけよ、分かる?」
「なんでさっきから気持ち悪いくらい優しい受け答えしてるアルか?」
「一刻も早くてめェがここから立ち去るよーに波風無い会話心がけてんだよコノヤロォォォ!!」


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▲書いた頃が暑かったのか、ちょうどジャンプがそよ姫登場の回で暑くてだるそーな土方にきゃーきゃー喚いてた頃だったのか…すでに記憶が定かでありませんが(汗)  土方は隊服をきっちり着てるというコトで。原作ではベストになってましたけど(笑)
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『夢』 土方×そよ


 夢を見ました。
 いつも見るのより少し鮮やかで、でもやはり夢らしくどこかぼやけていました。

 夢の中、私は城に居るよりずっと多い人数に囲まれて、忙しそうに駆け回っているのでした。走っていると、皆が、私のことを「姐御」と呼んでいるようで、私も、少しも変に思わずに、はい・と返事をするのでした。


 どうやら私は、夢の中で、あの方の元へ嫁いだらしいのです。


 朝の日差しの、とても気持ちの良い朝でした。とても沢山ある洗濯物、生まれてこの方そんなことはしたことが無いはずなのに、夢の中ではてきぱきとこなします。お掃除もいたします。
 そして、ふとあの方とはち合わせれば、あの方は少しだけ微笑ってくれるのです。


 夢の中でも忙しそうなお方でした。夢の中でも、なかなか一緒では居られないようでした。

 けれど私は幸せでした。
 夢の中で、私はとても幸せでした。





 目が覚めると、いつものようにじいやが外に控えていて、出ればおはようございます・と挨拶をしてきます。それに挨拶を返し、身支度を整え、朝餉を食べて、しばらくすると護衛の方々がいらっしゃいました。


「おはようございます、そよ姫様。」


 ああ、そんなに丁寧な言葉をかけないで。
 現の貴方のその整っただけの敬語が、私には、とても哀しい。


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▲学校へ行く途中、することないんでいつもぼけっと何か考えてるんですが、その時ふっと思いついた小話。もっとちゃんと書いてあげても良かったんですが、あんまり膨らませると蛇足つきそうだったので(日記が埋まるという利点に目がくらんだのもありますが(ぉぃ))、日記で書いてしまいました。そよちゃんの夢です…いや違います私の夢です(ぇ
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『いちばん?』 沖田&神楽&土方


 「俺ですねィ」
「いーや、私アルヨ」
「俺」
「私」
「…何やってんだお前ら、道端で」
「あっ」
「多串クン!」

 人通りこそ少ないがそれなりに明るい小道。その脇にちょこんと二人、しゃがみこんで、いつまでもいつまでもごにょごにょと喋りあっているのを発見したから声をかけてみた。が、かけてすぐ、実は後悔してたりする。遅すぎたのは充分解っていたけれども。

 「総悟てめえ、隊服着て怪しーコトしてんじゃねェよ」
「だって土方さん、こいつがちっとも譲らないんでさァ」
「何言うカ。そっちが譲れヨ、正しいの私ヨ!」
「…何。何をそんなに熱く議論しあってんの?」

会話を始めて数分と経っていないのにもう疲れてきた・と少しため息。口調がずいぶん投げやりになってきているのは自分でも分かっている。

「えっとですねィ。俺と、こいつの、どっちが世界で一番」
「“強いか”ってか?そりゃ判断不可能だ、諦めろ」
「違うヨー多串クン。どっちが世界で一番、」

次の言葉で土方は思いっきり煙草を吹き出し、つんのめって傍の木に額をぶつけた。



「一番、多串クンを好きか・ネ。」



 「だから、俺だろィ土方さん。いっつもあんだけ慕ってやってんじゃねぇですかィ」
「お前その言い草からすでに全然慕ってないヨ。私のが多串クン好きアル」
「何言ってんだィ、あんたこの人の首ひねるのが好きなだけじゃねーか」
「お前らそれ全部事実だろ!なァおい!!」
「この上は本人に決めて頂きやしょう」
「は?」
「そうネ、本人ならそれぐらい分かってるはずヨ」
「なんだって?おいちょっ」
「さー土方さん答えてください」
「多串クン正直に言わないと私の傘が火を噴くヨ」
「ななな何言ってんだてめェらっ、ちょっ待っ……詰め寄んな追い詰めんなオイもう後ろ壁じゃんオイィィィ!」






 「…何やってんでしょう、神楽ちゃん。あれ真選組の人らじゃないですか」
「遊んでくれてんじゃない?あーついでにコイツの散歩頼もう、散歩。」

 欠伸混じりに言った銀時の頭を、定春は遠慮なくがぶりと噛んだ。


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▲沖神にどうしても馴染めない私です(ごめんなさい;)が、別に二人が嫌いなわけじゃないです。こんな感じでわいわいやってるだけならむしろ大好きです(ぇぇぇ) 要するに二人とも土方っ子なんですよ。どっちも天邪鬼(ある意味素直)で土方はあんまり理解できずに嫌がらせとしかとってくれませんが(笑)
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『はなたば』 土方×そよ


 「花は、好きじゃないんです」
腕いっぱいに花を渡されて、困ったように彼は呟いた。きょとんと目を丸くする。
「…そうなんですか?私は好きです」
「私は嫌いなんです」
「そうも見えないのですけれど」
「好きに見えますか?」
「そうですね、普段は嫌いなふうに振る舞ってそうに見えます」
「でしょう」
「でも、誰もいないところでは、こっそり愛でていたりしそうです」
 すると少し心外そうに、ぼそりと、
「……しません」
「いいえ。きっとします」

 くすくす微笑う彼女は、楽しそう。



 だってその証拠に、今、あなたはそのリボンもセロファンも何も無い花束・私の摘んだ他愛無い小さな花たちを、大切そうにそっと、抱えて下さっているではありませんか。


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▲一時期土そよにはまり狂ってたのですが、その頃ふっと書き出しを思いついてワードに打ち始めたのに結局続きが思いつけず放置していたネタを再利用・終わりだけ整えて小ネタっぽくまとめたものです。案外気に入ってます(笑)
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『手のひらの返事』 土方×そよ


 息が切れる。普段運動しない所為だ。
 それでも、走る。ただ少しでも早く、あいたくて。

 少し後ろを、同じように従者が息を切らしながら追いかけてきている。姫さま・と時々呼ばれるが、決して足は止めない。五つめの角を曲がり、やっと、そこに着いた。
 黒い人だかり。怪我をしている人もいるようで、血の滲んだ包帯がちらほらと見える。

 目指す人を見つけた。
 黒い髪。鳶色の瞳。

 「……土方さま」
呼ぶと、驚いたように彼は振り向いて、それからわたわたと慌しくぴんと背筋を伸ばした。
 額と右脚の、薄汚れた包帯が酷く痛そうだ。
「…御無事で……何よりです」
「……そよ様も。お元気そうで、安心致しました」
「江戸城は何事も無かったですかィ?」
呑気に横から首を出して訊いてきた沖田にそよは微笑み、土方は拳を繰り出す。ごん・と鈍い音がして、痛ェ・と沖田は呻いた。
「あの、お暇ですか?」
「まあ一時帰還とはいえ、今は休暇扱いですから…何か?」
「…、一時帰還……」
また行かれるのですね・と小さく口の中で呟くと、少し泣きそうに微笑った。そして言う。
「大したことじゃないんです。でも、ずっと、悔やんでいましたので。」
「……はあ…」
「……お手を。」
「…はい?」
思いっきり怪訝そうに訊き返した土方に、もう一度、お手を・と言った。軽く首を傾げながらも、そっと右手を差し出す。
 その手をきゅっと握って、ほんの少しの間そのままじっと見つめた後に、口元まで引き寄せた。
「わー副長お姫さんにまで手ェ出したんスか!」
「よっ、女ったらし!」
途端に飛んできた野次に、うるせぇ・と怒鳴り返す。野次はそれでも大きくなる。
 その時、寄せた手に向けて、そよがそっと一言呟いた。小さく小さく、手の中に吹き込むように、その一言を。
 土方はその一言を風で聴いて、そして自分の手を包むそよの手と顔とをじっと見つめた。
「……すみません」
言って、そっと手を離す。

 けれどその離す瞬間、ほんの一瞬だけ彼の左手は右手と共にそよの手を握り返した。

 その一瞬が確かに彼の返事なのだと、そして彼の言葉が現実なのだとそよは悟った。悟った瞬間、少しだけ目が潤んで、けれど唇を引き結んで零すのはこらえた。



 それでも、その返事が嬉しいから




「ありがとう」
小さく、今度は聞こえないように呟いた。


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▲意外と土そよ多いなあ(汗) どっかで攘夷派とかが一斉蜂起したりして、兵隊として真選組が駆り出されてるみたいな感じです。ありえないとは思いつつも実は有り得なくないんじゃないかなとか思いながら書いてみる(どっちだよ)
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『名前』 土方&沖田&神楽
(注※これは「魁!クロマティ高校」とのWパロです)


 「お前らいつまでも俺のコト多串多串言いやがって!いい加減名前で呼べや!!」
「……。」
「まさか…誰も俺の名前知らないなんて事は無いよな?」
「………ごめんヨ…」
「知らねェのかよ!!オイちょっと待て…俺お前らと会ってからもう半年くらい経ってるよな?そうだ総悟!てめェはいくらなんでも知ってんだろ!!ていうかこいつらの居ない時はいっつもちゃんと呼んでんじゃねぇか!」
「……忘れやした」
「ま…マジで!?ちょっと待てやコラ、初対面から一体何年の付き合いになるとっ…ていうかそんな堂々と言ってんじゃねーよ!!」
「なんで多串クンの名前を知らなかったかというと…それは……」
「…それは…?」
別にどうでも良いことだと思たかラ……
「……お前、時々真顔でヒドイこと言うよな…」


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▲当時時々ほざいていた「クロマティの北斗の子分と土方って似てるんじゃないの境遇が」というのをホントにネタにしてしまったものです。しかし…絵が無いと予想以上にタルいな〜これ!(汗) 知らない方もいらっしゃるかもしれませんがクロマティ高校というのはある意味最強のギャグ漫画だと私は思っております。北斗の子分というのはギャグ漫画としては誇るべき10巻を越える単行本が出ているにもかかわらず一度たりとも本名の出てきたためしが無いと言う可哀想なキャラです(ぇ
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『幸せの証明』 土方×神楽


 歌声が響く。
 広い屯所の敷地内に、軽く辺りを歌で染めて。

 「…何歌ってんだ、さっきから」
「“しあわせなら手を叩こう”とかいうやつアル。知らないノ?無知アルな〜」
「違ェよそっちじゃねーよ!ず――っと真横で大声で歌いやがって、それでなくてもやかましんだからよお前は、いっつも!」
「♪しあわせなら手をたたこう♪」
「無視すんなコラ!」
「しあわせなら手をたたこう♪」
やっぱり無視し、声のトーンが微妙に上がる。ただ悪戯に明るい、跳ねるような声。
「♪しあわせなら態度でしめそうよ♪」
ぱちぱちと軽く手拍子を交えながら、酷く嬉しそうなあどけない笑みを顔いっぱいに浮かべて。
「さあ、みんなで手をたたこう♪」
ぱん・ぱん。手拍子二つで一応、ワンサイクルが終り。すると、大きな蒼い丸い眼は、じいっと土方を見つめてきた。
「…何見てんだよ」
そんな嬉しそーな顔で。もごもごと言ってみたが、大体分かっている。


 ……『お前も歌え』。


「かんたんでしょ、歌うアル」
「冗談じゃねぇ!一人で歌うか、どうしてもってんなら山崎でも連れて来い!!あいつなら喜んで歌ってくれるさ」
「やー!多串クンが良い」
「どういう理屈だ!あのなぁっ…」
「“しあわせなら態度でしめそうよ”アル、多串クン」
びし・と人差し指を突き出されてそんなことをきっぱり言われると、一瞬言葉を失ってそのまま切り返すタイミングまでも見失う。その様子を見てとったのか、神楽はにっと笑った。
「歌うアル」
「……待て」
「まだ悪あがきするカ」
「…、…俺は別に、態度で示すほど今幸せじゃねーよ」
悪あがきには違いなかったが、思いもよらない返答だったのか神楽はきょとんと目を丸くした。それからうーんと小さく可愛らしく唸って考え込む。が、最後は顔を輝かせぽんと手を打った。
 そして、ぐいと身を乗り出して、思わず身を引きかけた土方に少しも構わず思いっきりその耳元へ口を寄せ、両手を添えて、吹き込むように、



「トシちゃん、だいすき。」



 「……。」
俯いて黙り込んだ土方に、また小首をかしげる。
「どーしたアル。ちょっぴ幸せ、なんなかったカ?誰かに好きって言ってもらえるのは幸せなことだよって、ゴリラが言ってたアルヨ」
「……」
答えの代わりに口を手で覆った。覆い切れないぶんの頬が、少し赤い。


 歌は意地でも歌わないつもりだ。が、彼女の声に図らずも心拍が乱れたのは事実なので、もう少しだけ、彼女の決して上手いわけではない歌を、聴いていてやろうと思う。


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▲歌詞は自信ありませんすいません(汗) 気が付いたらちゃんと「×」使える土方・神楽これが初めてだ〜!あれ?意外に少ない!(ぇ
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『お題03、「運命でしょ。」』  土方×神楽


 「多串クンってー」
「なんだ」
「なんで会うたびそんなしょんぼりしてるヨ?」
「…しょんぼりじゃねーよげんなりだこのヤロー」
「げんなり?何かあったノ?何かあるノ??さては仕事でヘマしたナ…元気出せ多串クン、明日があるさ!!いつかは虹も見えるアルヨ!!」
「違うわボケェェ!!…あぁもー良いや、なんか疲れるホント疲れる」
「疲れた?なら酢昆布分けちゃるネ、疲れたときには酸っぱいものを・ヨ」
「要らん」
「何ヨ――」
「…なんでこんな奴が始終横にいるよーになっちまったんだ、俺は……」
「あ?んなコト決まってるじゃん馬鹿じゃねーノ」
「んだと!?」
「運命でしょ。」
「……はい?」

 固まって、振り返る。蒼い瞳は至極当たり前そうに、きょとんとして真っ直ぐこちらを見ていた。

「うんめい。」

もう一度言って、彼女はにっと笑った。



 ああお前は俺がこんなにずっと、馬鹿みたいにずっと悩んでいたことを、たった一言で片付けてしまった。

 それがまさに真実のようにも思えるから、また、腹が立つ。



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▲「英雄的お題屋」さまよりお借りした「台詞で12のお題」の三番目をイメージして書きました。イメージっていうか、普通に使ってるんですけど(汗) 土方さんが普通にへたれですね。弱っ(笑(誰のせいだと))
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『忘れていた現実』  土方&神楽



 「ああもう分からんガキだなっ、とりあえず大人しく調書取らせろ!」
「ちょーしょって何アルか!私の長所は何ものにも優しく接する寛大な心とどんな時にも希望を忘れないポジティブシンキングネ、覚えておくが良い!」
「そっちの“ちょうしょ”じゃねェェェ!ってかお前さっきオジさんの頭蹴ったろ!思いっくそ蹴ったろ!!それが何ものにも優しい人間のやることかァ畜生ォォォ!」
「あーもーうっさいマダオアルなっ 私の何が不満ネ!はっきり言うヨロシ!!」
「だぁーからっ、…お前天人だろ!?」
「それがどーしタ!」
「入国許可証はっ!」
「……きょかしょう…?」
若干の沈黙。
「…早口言葉ならお前一人でやってろマダオォォ!!」
「早口言葉じゃねェェェェ!早口言葉はお前アレだろがアレ、東京特許許きゃぁでッッ!舌噛んだァァ!」
「……あんたら何やってんだ…」
「!あんたっ…」
「あ!多串クン」
「多串じゃねェ、土方だッ!!」
他人の前なので一応訂正する。偶々用があって奉行所に来てみればどうも聞き慣れた声がするもんだから、何かと思えば…
 やっぱりお前かよ。
「…チャイナ、お前なんで取調室なんかに居んだ?」
「このてっぺんハゲに訊けヨ」
「ハゲじゃねェェ!剃ってんだこれは剃ってんだ!髷結うためだよ月代ってんだよ断じてハゲてねェ!」
「どっちでも良い」
「多串クンに同意するアル」
「オイィィィ!」
「…で、何やらかしたてめェ。食い逃げか?器物破損か?」
「なんもしてないヨ!遊んでたらこいつが無理矢理っ」
「いや副長殿、こいつは不法入国者で…」
「あ?」
ふほうにゅうこく?一度復唱して、やっと呑み込めた。なるほど、そういうことか。
「…そういや今までァ誰もが黙認してたな……」
しかし今更そんな所を突くのもどうだろう・と、自分らしくも無い甘い考えが浮かぶ。しかもそれを打ち消す気もあまり起こらない。
「……えーと…別に良いんじゃねーか、見逃しても」
「は!?」
「いやこいつ一応無害なガキだし」
無害か有害かは充分議論の余地があったが。
「その…わりと前から顔見知りでなぁこいつ」
「そうアル!私多串クンのことよーく知ってるヨ。」
「よーくって、…どういう関係で?」
「…どういう関係・といわれても…成り行きと言うかなんというか」
その時、神楽が元気良くこともなげに言い放った。
「愛人ヨ!」
「あいっ……!?」
「あいっ…ちょっ、てめェ!何言ってやがっ」
「ホラホラホラ、真選組副長の愛人アル!今までの非礼詫びるヨロシ!!」
腕までしっかり絡めて得意げに喋り続ける。冗談じゃない・と頭の中で悲鳴を上げたが声にならなかった。神楽の高い声は良く通る。取調室に続く廊下に居る人々が足を止め始めていた。
「……す、すみません…でした?」
「ヨシ!」
「よし、じゃねェェ!ちょっ、あの、ちがっ……」
「さー行くヨ、トシちゃん!」
「……ってめェェェ!!」

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▲この小ネタを境になんとなく日記小ネタの頻度が上がっていったように思います。なんか分かんないけど唐突に書けるようになったんだ…(汗)  タイトル、「現実」を「事実」にするだけで深刻味薄れるんですよ。多分ホントは「事実」を使わなきゃいけないんでしょうがね。ちょっとヒネくれてみたかったので「現実」選びました。遊び気分です遊び(ぉぃ